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帝国ホテルの内装はどれくらい豪華?


東京の街を歩いていても、国内旅行をしていても、ここ数年で海外から観光に訪れた方が増えたことを実感します。

ニュースによれば、2016年の1年間で訪れた外国人旅行客は、2015年から20%以上増えて2,400万人ほどとのこと。という訳で、今回は旅行とは切って切り離せないホテルの有価証券報告書(有報)の中から、気になることを見ていきたいと思います。

株式市場に上場し、有報を毎年作成しているホテル運営会社は何社かありますか、今回はせっかくなので日本を代表する高級ホテルの株式会社帝国ホテル(以下、「帝国ホテル」)の有報を見てみましょう。

帝国ホテルといえば、『ホテル御三家』の1つとも呼ばれる名門ホテルです。残念ながら筆者も一般庶民、帝国ホテルとはほとんど縁がないのですが、名門ホテルと言われるだけあって、さぞかし立派な内装や設備だろうということは、容易に想像できます。

では、実際にどれだけ立派で豪華な内装なのか、東京・日比谷にある帝国ホテル東京を例に、有報の情報を使って推測してみましょう。

帝国ホテルに限らず、企業が持っている建物や設備など(まとめて「有形固定資産」といいます)が帳簿上にいくらで載っているということは、有報で容易に分かります。

最新の第175期の有報の【主要な設備の状況】という部分を見ると、平成28年3月31日現在で帝国ホテル東京の有形固定資産の帳簿価額は、建物及び構築物が約95億円、機械装置及び運搬具が約3億6,000万円、工具器具及び備品が約10億7,000万円となっています。

建物及び構築物とはホテルの建物や中のエレベーターなど、機械装置及び運搬具は厨房の調理機器など、工具器具及び備品とは客室のベッドやレストランの椅子・テーブルといった内装などと考えて頂ければよいでしょう。

この金額を見てもただ事ではないように思えますが、1つ注意しなければならない点があります。

建物や機械、備品などは時の経過や使用によって徐々に価値が下がっていくのが通常なので、会計のルールとして、毎年、一定の方法で帳簿上の価値を減らしていく「減価償却」という手続きを行うことになっています。上記の帳簿価額は、この減価償却を行った後の金額であるため、必ずしも買ったときの金額を意味するものではないのです。

では、元の金額はいくらだったのでしょうか。直接推測することはできませんが、【連結貸借対照表】を見れば、グループ全体で持っている各有形固定資産の元の金額や、これまでに減価償却で減らした金額(減価償却累計額)が分かるので、この比率から逆算して、帝国ホテル東京の設備の元の金額を推測することは可能です。

例えば、建物及び構築物で考えてみましょう。グループ全体の建物及び構築物は元の金額が約1,027億円、そこから減価償却累計額約883億円を引いた残りが帳簿価額の約144億円という関係性になっています。元の金額は、帳簿価額の約7.13倍という関係です。

その関係性から単純計算してみると、帝国ホテル東京だけで見ても、建物及び構築物の元の金額は約674億円、機械装置及び運搬具は約28億円、工具器具及び備品は約70億円という結果となります。

もし、帝国ホテルに行く機会がありましたら、細かい装飾なども含めて、そのこだわりを堪能してみてはいかがでしょうか。

(ネットスクール株式会社 藤本拓也)

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