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餅の売上は年末年始にどれくらい集中する?


早いもので2016年も終わろうとしています。さて、1年間の中でこの時期限定でお金を使うものといえば「お餅」ではないでしょうか。

平成27年1月15日に総務省統計局が発行した「家計調査通信第491号」の資料によると、平成25年の調査で二人以上の世帯が1年間に支出する餅代が1,823円で、そのうちの6割近い1,074円が12月に集中しています。

前後の11月と1月も含めると1,342円、年間の餅代の4分の3ほどがこの3か月に集中することになります。

果たして、この調査結果は実態に合っているのか。実際にお餅を作っているサトウ食品工業株式会社(以下、「サトウ食品」)の有価証券報告書(有報)をもとに検証してみましょう。

サトウ食品といえば、「サトウの切り餅」のほか、「玄関開けたら2分でごはん」のキャッチフレーズで話題になった「サトウのご飯」で有名な食品メーカーです。

サトウ食品の最新の第56期有報(平成27年5月1日~平成28年4月30日)によれば、グループ全体の売上高362億円ほどのうち、切り餅などの「包装餅製品」が196億円ほど、ごはんなどの「包装米飯製品」が166億円ほどとなっており、同社の売上高の半分以上がお餅で占められていることが分かります。

すると、冒頭に述べた通り、お餅は年末年始に集中してお金が使われるものですから、サトウ食品の売上高も年末年始に集中するはずです。

実際にはその通りのようであり、サトウ食品の有報でも【事業等のリスク】として業績の季節変動、すなわち、売上高や利益が年末の期間である第3四半期に集中することが示されています。

先ほど見たグループ全体の年間売上高362億円のうち、11月から1月までの第3四半期の売上高は約178億円。1年間の売上高のほぼ半分がこの3か月間に集中していることとなります。

ですが、よく考えてみましょう。サトウ食品の売上高は「包装餅製品」と「包装米飯製品」の2本柱です。そのうち「包装米飯製品」、すなわち、ご飯にそれほどのまでの季節変動があるとは考えにくいはずです。

という訳で、「包装米飯製品」を中心に、「包装餅製品」以外の売上高は年間を通じて一定と仮定して、3か月ごとの四半期別包装餅製品の売上高を推定してみた結果が以下の通りです。

《サトウ食品の「包装餅製品」四半期別推定売上高》
第1四半期(5~7月):約3億円
第2四半期(8~10月):約33億円
第3四半期(11月~1月):約136億円
第4四半期(2月~4月):約24億円
※サトウ食品第56期有報を元に試算。
各四半期の売上高のうち、「包装米飯製品」以外の売上高は年間売上高の4分の1と仮定して推定。

すると、1年間で売れるお餅の約70%が11月~1月までの3か月間で売れていることとなります。

冒頭の家計調査と比較的近い数値ですし、途中の流通過程のタイムラグも考えれば整合するようにも感じます。

ちなみに、皆さんの感覚との違いはいかがでしたか?

(ネットスクール株式会社 藤本拓也)

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