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スーツ1着に使うお金はいくら?


新社会人や大学の入学式に参加する人たち、就職活動中の人たちなど、この時期になると新しいスーツに身を包んだ人たちを街中でよく見かけます。

会社に就職して毎日のようにスーツを着るようになると、私服で過ごす学生時代と比べて、コーディネートとして考える要素が減って楽な面はありますが、新しいスーツを買うとなると、「どんなスーツが良いのか」ということに加え、「いくらくらいのスーツが自分に合うのか」といったことも気になってきます。

そういう訳で、今回はこの時期に新品をよく目にする「スーツ」について、業界最大手であり、ギネスブックにて「スーツ販売着数世界一」と認定された『洋服の青山』を営む青山商事株式会社(以下、「青山」)の第51期(平成26年4月1日‐平成27年3月31日)の有価証券報告書(有報)で確認してみましょう。

青山の有報のうち、【業績の概要等】という部分を見ると、(メンズスーツに限っての情報ですが)過去3年間の平均単価が記載されています。

直近の平成27年3月期(平成26年4月1日‐平成27年3月31日)の平均販売単価を見ると、26,337円とのことです。前年(平成26年3月期)の25,316円、そのまた前年(平成25年3月期)の24,664円と比較すると、この3年間で平均販売単価が1,800円ほど上がっていることが分かります。

「高いスーツが売れるようになった」というのも要因の1つかもしれませんが、スーツに関してはもう少しからくりがありそうなので、更に有報を読み解いてみましょう。

ヒントとなるのは、客数と販売着数の変化です。
同じく有報の【業績の概要等】を見ると、平成27年3月期のスーツ事業の客数は対前年比で92.1%、すなわち7.9%減少しています。それに対して、販売着数は248.2万着から224万着へ、9.8%ほど減少しています。
客数よりも販売着数の減少幅の方が大きいということは、1人のお客さんが購入するスーツの数が減っていることになります。

スーツと言えば、一時期、「2着目1,000円」や「2着目半額」といったセールが多くのチェーンで実施されました(筆者もよくお世話になりました)。
2着目を1,000円だったり半額だったりという、極端に安い金額で同時購入するお客さんが多いと、それだけ販売着数は増えるものの、1着当たりの売上高、すなわち平均販売単価は下がります。

有報から分かる、平均販売単価の上昇と1人のお客さんが購入するスーツの着数の減少という情報。この情報から、このようなセールによる販売が減っているとも読み取れるのではないでしょうか。

とはいえ、どれくらいの価格帯のスーツを買うのがベターなのかを迷っている方にとっては、どんな販売形態であれ、有報に目を通しておくと、平均相場と比較したスーツの購入ができるのかもしれません。(ネットスクール株式会社 藤本拓也)

青山商事株式会社

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